学校種: 小学校
養護教諭経験年数: 21-30年
エピソードの概要: 新採用3年目の大規模小学校で、2年生の男の子が4月ごろから頭痛で頻回来室していました。好き嫌いが激しく、1年生の後半頃から給食で嫌いなおかずだとよく吐いたりしていました。よく嫌なことがあると癇癪を起こし、頭痛を訴えます。頻回に訴える日は、担任と相談して母親に迎えに来てもらいます。その時母親は、「甘やかして育てたものですみません」や「わがままなもので」とか言っていますし、30代後半の担任女性教師は「算数が嫌みたい」と言うので、一人っ子で甘やかされて育ったからだと、精神的なものと思い込んでいました。そんなことが何ヶ月か続いていたのですが、ある日学校で嘔吐しました。顔色が悪いので総合病院に連れていったところ、脳腫瘍だということが分かり、緊急開頭手術になりました。今考えると、頭痛・嘔吐吐き気・気力低下・平衡感覚の低下や発育の悪さなど、ぴったりあてはまる症状でした。
事例からの学び:
子供のことをよく知っているのは、保護者や担任の先生なので、日頃の様子から情報を収集することは大切なのですが、それに流されずに、養護教諭として症状から考えられる器質的疾患について保護者にアドバイスするようにしています。
背景要因: 判断